動画編集を始めるにあたって、まず最初に気になるのがパソコンのスペックと必要な周辺機器。
「動画編集PCスペック安いPCでできる?」「グラボは必要?」「ストレージは何GB?」といった疑問を抱く方も多いはずです。
この記事では、初心者から中級者、そしてプロを目指す方まで、動画編集を快適にするためのPCスペックと周辺機器を、2025年の最新事情に基づいて分かりやすく解説します。
1. 動画編集PCスペック【2025年基準】
なぜ動画編集には高いスペックが必要なのか?
動画編集は、パソコンにとって非常に負荷の高い作業です。動画ファイルは写真と比べて何千倍ものデータ量があり、それをリアルタイムで処理・プレビュー・書き出しする必要があります。
特に以下の処理では、パソコンがフル稼働状態になります:
- 4K・8K動画の読み込み
- カラーグレーディング(色調補正)
- エフェクト・トランジションの適用
- 複数の動画トラックの同時再生
- 最終的な書き出し処理
✅ 必要スペック目安(フルHD編集)
項目 | 推奨スペック |
---|---|
CPU | Intel Core i5 第12世代以上/AMD Ryzen 5 5600以上 |
メモリ | 最低16GB(理想は32GB) |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1660以上(フルHD編集ならOK) |
ストレージ | SSD 512GB以上(NVMe推奨)+外部HDDも併用可 |
OS | Windows 11/macOS Ventura以降 |
4K編集以上ならこれが必要!
項目 | 推奨スペック(4K編集以上) |
---|---|
CPU | Intel Core i7/i9 または Ryzen 7/9 |
メモリ | 32GB〜64GB |
GPU | RTX 3060以上(Premiere ProやDaVinciに最適) |
ストレージ | SSD 1TB以上(別途外付けHDD/NAS併用) |
各パーツの詳細解説
CPU(プロセッサー)
動画編集の心臓部となるパーツです。マルチコア性能が重要で、特に以下の処理で威力を発揮します:
- 動画ファイルのデコード・エンコード
- エフェクト処理
- 複数タスクの同時実行
コストパフォーマンス重視なら:
本格的な4K編集なら:
GPU(グラフィックボード)
近年の動画編集ソフトはGPU加速に対応しており、書き出し時間を大幅に短縮できます。
NVIDIA製品の優位性:
- Adobe Premiere Pro、DaVinci Resolveとの相性が抜群
- NVENC(ハードウェアエンコード)による高速書き出し
- CUDA コアによるエフェクト処理の高速化
おすすめGPU:
- 入門レベル:GTX 1660 Super 詳細を見る、RTX 3050 詳細を見る
- 中級レベル:RTX 4060 詳細を見る、RTX 4060 Ti 詳細を見る
- 上級レベル:RTX 4070 詳細を見る、RTX 4080 詳細を見る
メモリ(RAM)
動画編集では大量のデータを一時的に保存するため、メモリ容量が作業効率に直結します。
メモリ容量の目安:
- 16GB:フルHD動画の基本編集
- 32GB:4K動画、複数アプリケーション同時使用
- 64GB以上:8K動画、After Effectsでの本格的なモーショングラフィックス
ストレージ
動画ファイルは非常に大きいため、ストレージ戦略が重要です。
理想的な構成:
- システム用SSD:OS・ソフトウェア用(500GB~1TB)
- 作業用SSD:現在編集中のファイル用(1TB~2TB)
- 保存用HDD:完成した動画・バックアップ用(4TB以上)
2. 動画編集 PCスペック ノート でも編集できる?【YES/BUT】
- 結論:フルHD編集なら可能。ただし冷却とメモリが鍵。
- ノートPCで動画編集をする場合は:
- メモリ16GB以上(32GBなら安心)
- M1/M2 MacBookや、ゲーミングノートPCが◎
- 冷却スタンドや外部モニターも必須級
動画編集PCスペック ノート選びのポイント
MacBook Pro(M2 Pro/Max)
メリット:
- 優れた電力効率
- Final Cut Proとの完璧な連携
- 長時間バッテリー駆動
- 4K ProRes動画の快適な編集
デメリット:
- 価格が高い
- ポート数が限られる
- Windows専用ソフトが使えない
Windows ゲーミングノートPC
メリット:
- コストパフォーマンスが良い
- 豊富なポート類
- カスタマイズ性が高い
- 様々な編集ソフトに対応
デメリット:
- 発熱しやすい
- バッテリー消費が激しい
- 重量が重い傾向
ノートPC使用時の必須アイテム
- 冷却パッド:サーマルスロットリング防止
- 外部モニター:作業効率向上
- 外付けキーボード・マウス:長時間作業の快適性
- 大容量モバイルバッテリー:電源確保
3. 編集作業を快適にする周辺機器おすすめ
モニター
良いモニターは動画編集の品質と効率を大きく左右します。色の正確性、解像度、画面サイズすべてが重要です。
必要な仕様:
- サイズ:27インチ以上
- 解像度:最低フルHD、できればWQHD以上
- 色域:sRGB 100%またはAdobeRGB対応が理想
- パネル:IPSパネル推奨(視野角が広い)
おすすめ機種例:
おすすめモニター2選(動画編集向け)
BenQ PD2705Q
WQHD解像度と高い色再現性を備えた、動画編集やデザイン作業に向いた定番モニター。
- 27インチWQHD(2560×1440)
- sRGB 100%、Rec.709対応
- クリエイター向け機能充実
詳細を見る
- LG 27UL850-W
- 高精細な4K表示とUSB-C接続に対応し、MacBookユーザーにも人気の万能モデル。
- USB-C接続でMacBookと相性抜群
トラックボールマウス/編集向けデバイス
長時間の編集作業では、手首への負担軽減が重要です。
特に腱鞘炎対策や操作の効率化を重視する方には、以下のトラックボール型マウスがおすすめです。
ELECOM DEFT PRO
高精度なトラッキング性能と多機能ボタンを備えたモデル。手を動かさずにカーソル操作ができ、長時間の編集作業でも疲れにくい設計です。
- 高精度トラッキング
- 8つのカスタマイズ可能ボタン
- 手首を動かさずに操作可能
詳細を見る
Logicool MX ERGO
ロジクール製の定番トラックボール。角度調整やデュアルデバイス切り替えなど、作業環境に応じて柔軟に使える機能が充実しています。手首への負担も少なく、プロの現場でも愛用されるモデルです。
- 角度調整機能付き
- 2台のデバイス間切り替え可能
- 長時間使用でも疲れにくい設計
詳細を見る
編集ショートカットを割り当てると作業効率アップ
専用コントローラー
Blackmagic DaVinci Resolve Speed Editor 詳細を見る:
- DaVinci Resolve専用コントローラー
- 物理的なジョグダイヤルでフレーム単位の調整
- カット・トリミング作業の高速化
ヘッドホン/スピーカー
音の品質チェックは動画編集で重要な要素です。正確な音の再現ができる機器を選びましょう。
ヘッドホン:
- モニターヘッドホン推奨 SONY MDR-CD900ST 詳細を見る
- 業界標準のモニターヘッドホン
- フラットな周波数特性
- 長時間使用でも疲れにくい
- プロの現場で愛用される信頼性
Audio-Technica ATH-M50x
スタジオ定番の人気モデル。モニター用途にも音楽鑑賞にも対応できるバランスの良さが魅力です。
- バランスの良い音質
- 折りたたみ可能で持ち運びに便利
- モニター用としてもリスニング用としても使える
詳細を見る
Beyerdynamic DT 770 PRO
プロの現場で信頼される定番機種。解像度の高いサウンドと耐久性に優れた作りで、長時間使用にも強いです。
- 高音質・高耐久性
- 心地よい装着感と密閉型デザイン
- モニター用途やミキシング作業に最適
詳細を見る
Sennheiser HD 280 PRO
遮音性に優れ、外音をシャットアウトして集中した編集や録音に向いています。コストパフォーマンスも高い1台です。
- 優れた遮音性
- 折りたたみ式・軽量設計
- 低音から高音までフラットに再現
詳細を見る
スピーカー:
- スピーカーは定位感あるもの YAMAHA MSP3A 詳細を見る
- コンパクトながら高音質
- ニアフィールド モニタースピーカー
- 正確な音の定位感
- デスクトップ環境に最適
上位モデル:
外付けストレージ/バックアップ用
動画ファイルは非常に大きく、適切なストレージ戦略が必要です。
ポータブルSSD:
- SanDisk Extreme Portable 詳細を見る
- 最大1050MB/sの高速転送
- 防水・防塵・耐衝撃性能
- USB-C接続でMac・PC両対応
- 容量:500GB〜4TBまで選択可能
外付けHDD:
- WD Elements 詳細を見る
- 大容量・低価格
- バックアップ用に最適
- USB 3.0対応
- 容量:2TB〜14TBまで豊富なラインナップ
NAS(ネットワークストレージ):
- NAS(QNAP/Synology)で複数PC管理も可 詳細を見る
- 複数デバイスからアクセス可能
- 自動バックアップ機能
- RAID構成による冗長性
- リモートアクセス対応
ストレージ戦略の立て方
3-2-1ルールを推奨:
- 3つのコピー:オリジナル+バックアップ2つ
- 2つの異なるメディア:SSD+HDD、クラウド+ローカルなど
- 1つのオフサイト:クラウドストレージや別の場所
4. 動画編集ソフト別推奨スペック
Adobe Premiere Pro
最低スペック:
- CPU:Intel 6世代 / AMD FX以降
- メモリ:8GB
- GPU:2GB VRAM
推奨スペック:
- CPU:Intel Core i7 / AMD Ryzen 7
- メモリ:32GB
- GPU:NVIDIA GTX 1660以上
DaVinci Resolve
最低スペック:
- CPU:Intel Core i7 / AMD Ryzen 7
- メモリ:16GB
- GPU:2GB VRAM
推奨スペック:
- CPU:Intel Core i9 / AMD Ryzen 9
- メモリ:32GB以上
- GPU:NVIDIA RTX 3060以上
Final Cut Pro(Mac専用)
最低スペック:
- Mac:M1チップ以降またはIntel Core i5
- メモリ:8GB
- ストレージ:4GB
推奨スペック:
- Mac:M2 Pro/Max
- メモリ:32GB
- ストレージ:1TB SSD
5. 予算別おすすめPC構成
🔰 エントリーレベル(10万円〜15万円)
用途:YouTube投稿、SNS動画作成
対応:フルHD動画の基本編集
構成例:
- CPU:AMD Ryzen 5 5600G
- メモリ:16GB
- ストレージ:SSD 500GB
- GPU:内蔵GPU(Vega 7)
- 総額:約12万円
📈 ミドルレンジ(15万円〜25万円)
用途:本格的な動画制作、4K編集
対応:エフェクト多用、複数トラック編集
構成例:
- CPU:Intel Core i5-13400F
- メモリ:32GB
- GPU:NVIDIA RTX 4060
- ストレージ:SSD 1TB
- 総額:約20万円
💪 ハイエンド(25万円〜40万円)
用途:プロレベルの動画制作
対応:8K編集、After Effects、3DCG
構成例:
- CPU:Intel Core i7-13700K
- メモリ:64GB
- GPU:NVIDIA RTX 4070 Ti
- ストレージ:SSD 2TB
- 総額:約35万円
6. よくある質問(FAQ)
Q. メモリ16GBで足りますか?
→ フルHDなら足りますが、4K以上・長時間編集には32GB以上を推奨します。特に複数のアプリケーションを同時に使用する場合、メモリ不足はシステム全体のパフォーマンス低下を招きます。
Q. GPUがないと動画編集はできませんか?
→ 簡単な編集なら内蔵GPUでも可能ですが、書き出し時間やエフェクト処理で差が出ます。特にH.264/H.265の書き出しでは、専用GPUがあることで5〜10倍の速度向上が期待できます。
Q. MacとWindowsどちらが向いてますか?
→ MacはFinal Cut Pro、WindowsはPremiere Pro/DaVinci Resolveの選択肢が豊富です。ソフトに応じて選びましょう。
Mac の優位性:
- Final Cut Proとの完璧な統合
- 優れた色再現性
- 安定したシステム
- 長期サポート
Windows の優位性:
- 豊富なソフトウェア選択肢
- コストパフォーマンス
- カスタマイズ性
- ゲーミングPCとの兼用可能
Q. CPUとGPU、どちらを優先すべき?
→ 使用する編集ソフトによります。Premiere ProやDaVinci ResolveならGPU重視、Final Cut ProやAdobeEncoderならCPU重視が効果的です。
Q. 4K動画編集に最低限必要なスペックは?
→ CPU:i7以上、メモリ:32GB、GPU:RTX 3060以上、ストレージ:高速SSD 1TB以上を推奨します。
Q. ノートPCで本格的な動画編集は可能?
→ M2 Max MacBook ProやRTX 4070搭載ゲーミングノートなら十分可能です。ただし、発熱対策と外部モニターは必須です。
7. 動画編集を効率化するTips
ワークフロー最適化
- プロキシ編集:4K素材を低解像度で編集、最終書き出し時のみ高解像度
- 素材の事前整理:フォルダ構造の統一、ファイル命名規則の徹底
- プリセット活用:よく使うエフェクト・トランジションのテンプレート化
ショートカット活用
主要な編集ソフトで共通して使える便利なショートカット:
- J/K/L:逆再生/停止/再生
- I/O:インポイント/アウトポイント設定
- Space:再生/停止
- Ctrl+Z:アンドゥ
ハードウェア最適化
- メモリ割り当て:編集ソフトに十分なRAMを割り当て
- キャッシュ設定:高速SSDをキャッシュドライブに指定
- GPU設定:CUDA/OpenCLアクセラレーションの有効化
まとめ|スペックと環境を整えれば、動画編集は快適になる!
パソコンの性能が編集効率を大きく左右するのは間違いありません。
でも、「高性能=高額」というわけではなく、必要なポイントをおさえれば10万円台からでも快適な環境が作れます。
最終チェックリスト
初心者の方:
- [ ] CPU:i5以上またはRyzen 5以上
- [ ] メモリ:16GB以上
- [ ] ストレージ:SSD 500GB以上
- [ ] モニター:23インチ以上
- [ ] ヘッドホン:モニター系推奨
中級者以上の方:
- [ ] CPU:i7以上またはRyzen 7以上
- [ ] メモリ:32GB以上
- [ ] GPU:RTX 3060以上
- [ ] ストレージ:SSD 1TB + HDD
- [ ] デュアルモニター環境
- [ ] 専用オーディオ機器
まずは自分の編集スタイル(趣味/仕事/SNS)に合わせて、スペックと機器を選んでみましょう!
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❓よくある質問2(Q & A)
Q1. 動画編集にはどのくらいのスペックが必要ですか?
A. フルHD編集なら「Core i5+16GBメモリ+GTX1660以上」、
4K以上なら「Core i7/i9やRyzen 7/9+32GB以上+RTX3060以上」を推奨します。書き出しやプレビュー速度に大きく差が出るため、予算に応じて上位構成を目指しましょう。
Q2. ノートPCでも快適に動画編集できますか?
A. はい、M2チップ搭載のMacBookや、RTX搭載のゲーミングノートなら4K編集も対応可能です。ただし、発熱やポート不足を補うために、冷却台・外部モニター・USBハブの活用がおすすめです。
Q3. GPU(グラボ)は必ず必要ですか?
A. シンプルな編集や短いSNS動画なら不要な場合もありますが、書き出し速度・エフェクト処理の効率は大幅に向上します。特にPremiere ProやDaVinci Resolveを使う方は、RTXシリーズのGPUを搭載すると快適です。
Q4. MacとWindows、どちらが動画編集に向いていますか?
A.
- MacはFinal Cut Proとの相性が抜群で、色再現性や安定性に優れています。M1/M2チップ搭載モデルは非常に高性能です。
- WindowsはPremiere ProやDaVinci Resolveの選択肢が豊富で、コストパフォーマンスやカスタマイズ性に優れます。
Q5. どんな周辺機器を揃えるべきですか?
A.
最低限あると快適になるものは以下の通りです:
- モニター(sRGB100%以上、27インチ推奨)
- トラックボールマウス(疲労軽減)
- モニターヘッドホン(音編集の精度向上)
- 外付けSSD/HDD(保存と作業分離)
- 冷却スタンド(ノートPC利用時)
Q6. 安く始めるにはどんな構成がおすすめですか?
A. 10〜15万円の構成なら「Ryzen 5 5600G + 16GBメモリ + SSD 500GB」が最適です。SNS投稿やYouTube動画の基本編集に十分対応します。将来的なアップグレードも視野に入れて選ぶのがコツです。
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